今年もせとうちDMO(一般社団法人せとうち観光推進機構)の事業に参画させていただいており、欧米豪インバウンド向けの観光プロダクトを企画しております。今回、5日間のモニターツアーに帯同しながら(今さらながら)気づいたことを、書き記しておこうと思います。

 

「Experience=体験プログラム」の違和感

つい最近まで、インバウンド観光に関する話題で聞くことの多い「体験プログラム」「体験コンテンツ」という言葉に関して、違和感を持っていました。それらは、「観る(See)」だけでなく「する(Do)」あるいは「なる(Be)」までを含めた旅行商品を示す言葉ですが、海外向けには「Experience」と説明されているケースが多いように思います。ところが、国内外の旅行会社さんからリクエストされる「Experience」は、少しニュアンスが異なる(より深く、長いニュアンス))ように感じていたのです。その違和感について「英語職人」のオールライト千栄美さんと会話していた時に、「Experienceって語源を知るとわかるんだよね」と聞いて、なるほどと思いました。

 

 

 

「いわゆる体験プログラム」は「Activity」

また、今回のモニターツアーに参加していただいた旅行会社さんからは、「いわゆる体験プログラムはExperienceでなく、Activityと呼んでいます」とおっしゃっていただき、これまたなるほどと思いました。いくつかのActivityを通じて、一定の意味や深みを持った時に、その全体像がExperienceとなる。Experienceとは、こちらから提供するものではなく相手にゆだねるものであり、マーケティング(伝える)とブランディング(伝わる)の関係に近いものだと感じました。そして、僕自身が「体験」と「経験」を混同していることが、違和感の原因だとわかりました。もちろんActivity単体が深いExperienceとなる場合もあり、一概には言えませんが、総じてそういうことかな、と。

 

 

 

優れたActivity(体験プログラム)を通じてExperience(訪日旅行の記憶)を醸成する、ということだと整理整頓しました。優れたActivityをつくるにも、今回の事業でたくさん考えたことがあるので、いずれしっかり言語化したいと思います。