天空の聖地で修行体験
小豆島は、瀬戸内海最高峰の星ヶ城山があり、淡路島に継いで2番目に大きな離島。日本の中では、さまざまな映画撮影のロケ地として、また、温暖な瀬戸内式気候を活かしたオリーブが名産のリゾート地として知られるが、実は、海底火山が隆起してできた島ゆえにゴツゴツした岩肌を見せる険しい島という一面があり、山岳修行者にとっては格好の修行場だった。1200年前に、真言宗の開祖である弘法大師空海も、生誕の地讃岐と活躍の地京都を行き来する道すがら、小豆島に立ち寄り修行していったといわれるところから、四国とは異なる独自の八十八ヶ所霊場が興り、現在も遍路文化が息づいている。
そんな小豆島で体験できるのが、絶景の山岳寺院を舞台とした「護摩祈祷」。不動明王に願いを届けるための炎の儀式は、参加する者の煩悩まで焼き尽くすよう。護摩堂に至る参道から見える景色は、瀬戸内海らしい静かな海と多島美が臨め、参加者たちは思わず息をのむことになる。護摩焚きの後は、僧侶との会話を楽しんだり、絶景を写真に収めたり。弘法大師・空海が悟りを開いたように、瞑想で精神統一をするのも一興。オーシャンビューの霊場で心を洗う時間を日本らしく仏教にいそしみ楽しんでみたい。
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①常光寺・碁石山
小豆島霊場8番の「常光寺」は、天平年間、僧の行基により開基した歴史があり、御本尊を薬師如来とする真言宗御室派の古寺。奥の院として、小豆島霊場2番の碁石山がある。出家する前はITエンジニアとして時代の先端を走っていた僧侶との会話に、何を感じるか。
②龍水寺・西之瀧
小豆島霊場42番「西之瀧」は、小豆島で最も古い霊場。寺の横にそびえる巨大な岩は「行場(ぎょうば)」、神とコンタクトをとる場所と言われ、はしごと鎖を頼りに昇っていくことが許されている。定年退職後に得度し高野山真別処・円通寺で修行した住職は、密教ヨーガの達人でもある。呼吸法とポーズを教わることができるかもしれない。