ミシュラン・グリーンガイド掲載 NIPPONを感じる寺院で宿泊体験
別名白鷺城と呼ばれる姫路城から車で30分ほど。書写山ロープウェイに乗り、淡路島や家島諸島男鹿島、小豆島などを眼下に見ながら約5分で山上駅に到着すれば、樹齢数百年の木々に囲まれる深山幽谷へ。西の比叡山と称される天台宗の古寺「圓教寺」は、西国二十七番札所で三十三所の中では最大規模寺院。グリーンミシュランガイドに掲載されているだけでなく、日本映画はもちろんハリウッドの製作陣も認めるほど、侍のいた時代のThe Nipponを感じる場所として知られる。創建は、966年に僧・性空といわれ、多くの参拝者が訪れるのが三つの堂。写経道場と寺宝の展示館がある、もとは修行僧の寝食のための建物「食堂(じきどう)」と、圓教寺の本堂にあたる通常拝観可能な「大講堂」。また修行道場の一つ「常行堂」は、予約をすれば坐禅を組みことができ、お堂に安置される本尊丈六阿弥陀如来坐像に見守られながら落ち着いた時間を過ごすことができる。他にも、境内にある施設や塔頭で、精進料理を味わう、一泊する宿坊体験など、古くからの日本の仏教に触れる機会を得る。さらに1ヶ月前の予約で寺の行事などなければ特別に「常行堂」で特別に天台声明を体感することも可能。日本人でもなかなかできない貴重な時間を。
体験できること①常行堂にて厳かなる体験
常行三昧というひたすら阿弥陀仏の名を唱えながら本尊を回る修行のための道場、常行堂で、法要儀式に際し、経文(お経)などに旋律(音)を付けて唱える天台宗の仏教声楽曲の「天台声明」を体験。1ヶ月前からの要予約。ロープウェイが稼働する前の時間に行うため、前日は宿坊での宿泊が必要。一般の参拝者がいない、どこまでも静かな空間に、声明が響く。その他、常行堂では、座禅体験も可能(3日前までの要予約)。
体験できること②圓教寺の食堂で書道にいそしむ
1174年に創建された、本来は修行僧の寝食のための重要文化財の建物「食堂」。別名長堂と呼ばれる、長さ約40mの板間で本尊の僧形文殊菩薩に見守られながら、心を静め、僧侶とともに書道に耽る。1ヶ月前からの要予約。ロープウェイが稼働する前の時間に行うため、前日は宿坊での宿泊が必要。どこまでも静かな空間に、墨の香りが漂う。
体験できること③奉納演武体験
三つのお堂の前に広がる広場で、居合斬りなどの奉納演武を見学し、本物の日本刀(真剣)に触れ、一部体験ができる。ハリウッド映画「ラストサムライ」のロケ地で、サムライ体験が可能。1ヶ月前からの要予約。ロープウェイが稼働する前の時間に行うため、前日は宿坊での宿泊が必要。
体験できること④塔頭の壽量院で精進料理を味わう
圓教寺伽藍の東谷に位置する重要文化財「壽量院」にて、動物性のものを一切使わない精進料理を味わう機会。「圓教寺行事記」に記された、おそらく江戸期以前からの料理献立を現代風にアレンジ。精進本膳料理は赤い器で提供される(火・木曜を除く4~11月の開催。3日前の予約で基本は5名以上だが要問い合わせ)。ミシュラン掲載。